内山城(神奈川県)

神奈川県
07 /05 2016
着々と支配地を広げる大森氏は西相模方面に進出すべく
1372年(応安5)足柄城の横に浜居場城、その横に内山城を築きます。

内山城は別名春日山城、鵜ノ頸城とも。



現在の南足柄市内山。
このように酒匂川がグググッとくびれてる部分、地元では鵜ノ頸と呼んでいたここに内山城はありました。
北の酒匂川、南の内川が合流する地点で、三方を川で囲まれた天然の要害地でした。

そして地図で見るとわかるように、すぐ上に河村城がある!

河村城については以前に書きましたが、河村城の河村氏というのは西相模を広く支配していた波多野氏の一族で、
何かと体制に逆らいがちな気質、流れがあり、鎌倉公方べったりのこの頃の大森氏にとっては敵でした。
西相模を支配するためにはいずれ倒さねばならない相手です。

で、酒匂川を挟んだこの地に「対の城」として内山城を築きました。

それにしても近過ぎませんか?(;´▽`
敵対してたにしてもまだ戦ってたわけじゃないんですよ。

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(「小田原市史」別編城郭より 河村城周辺地域図に加筆)

内山城(春日山城)から川を渡るとすぐ河村氏の屋敷がずらりと並んでいた湯坂(ゆざく)という地。
橋架けちゃえば5分で「やぁ河村くん~」じゃないですか。
そんなん許していいのか河村くんよ?
現代人には理解しがたい当時の距離感。

でも河村氏は南朝側に参戦して籠城戦の末、1352年「南原の戦い」で一族の多くを失い大打撃を受けていて、
(地図の下の「南原」が古戦場)
内山城が築かれたのはその20年後の1372年ですから、河村氏に以前ほどの勢いはなかったのでしょう。

河村城が完全に落城したのは1437年の永享の乱の折。
実に60年以上に渡りここで両者睨み合ってたわけです。


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(「岩原古城と住民」保田宗良 より 図に加筆)

保田先生は大森頼明が構想した西相模の縄張りは
足柄城から一直線に河村城の下の内山城に、内山城から南に一直線に小田原城に、
そして本城である岩原は内山城と小田原城のちょうど中間点とした、
とその兵法に感服していらっしゃいます。

大森氏以前の小田原城は現在の中井町あたりを本拠地とする中村氏の一族、小早川氏の支配下にありました。
とにかく大森氏は小田原城が欲しかったようです。
小田原城を手中にして西相模の縄張り一応完成、ということなのでしょうか。



さて、現在の内山城の様子はと言いますと・・・

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こんな風に・・・

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こんな風に・・・


大正時代に発電所が建ち遺構はほぼ失われています。あぁ悲しい。。

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城址の真ん中を走る道路。
この先に内山の集落があります。


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どこかにちょっとだけ堀跡が残ってるらしいのです。
でも発電所があるのでどこまで入っていいのかわからず。

な感じで遺構が何も見当たらず残念な内山城ではありますがっ


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酒匂川にかかる岩流瀬橋を渡る直前の脇道を行くと文命西堤の石碑とお堂があって、
その先に川沿いに遊歩道が続いてて、


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このあたりの郷土の歴史は江戸時代の治水工事をメインとしてるようです。
遺構がないので仕方ないのですが内山城に触れた案内板などは一切ありません。


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岩流瀬橋に建つ内山付近の案内MAP。イラスト可愛い♪
黄色○が内山城、ピンク○が文命西堤碑です。

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文命西堤碑の遊歩道からは内山城のあった鵜ノ頸の地形が見れるんです。
発電所の前ではわからなかった城の全体像がイメージできます!


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対岸の茂みの向こうには河村氏がいたんですね。
近いなぁ。


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私は地形にも土木工事にも疎くて・・・ハッキリ言ってこの時も治水に関してはスルーしちゃったんですけど(笑)
なんだかとってもすごいとこらしいですよ、このあたりって~(←いい加減な称賛)

そういう分野がお好きな方は是非一度見にいらしてください。
城に関係なく心打たれる光景でした。


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いやほんと、圧倒されました。
遺構はなくてもこの地形は見る価値十分です。


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アクセス
 最寄りは御殿場線の「東山北駅」 ですが、歩くと40分以上はかかりそうです。
 ハイキングしてもたぶん楽しくないです。ってか、この城目指して歩く人っていないんじゃないかと(;´▽`
 どうぞ車でお越しください。(すみません、こんな説明で)


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